ジボロン酸無水物触媒DBAAを用いた水溶性アミンをアミン源とする脱水縮合アミド化反応に関する論文が,歴史と権威のあるイギリス王立化学会発行の学術論文誌である Org. Biomol. Chem. に掲載されました。
筆頭著者である大学院相関理化学専攻修士2年の岩澤太陽さんと当研究室博士修了生の高橋那央也さん が実験者として主たる貢献をした研究成果です。
これまでに,嶋田研究室では,独自に開発したDBAAを触媒によるアンモニア水溶液をアミン源とするヒドロキシカルボン酸の脱水縮合アミド化反応を報告しています(Chem. Comm. 2023, 59, 7391–7394)。今回,本触媒反応のアミン源の適用系をN-メチルアミン水溶液,N-エチルアミン水溶液,N,N-ジメチルアミン水溶液などのアミン水溶液に拡張することに成功しました。いずれの水溶性アミンも,触媒的脱水縮合アミド化反応への適用例としては初の報告となります。本触媒反応を利用し,β-アミノアルコール構造を有する,ハロスタチン,シネフリン,ロンギマンミン,フェニレフリン,メタネフリン,ノルマクロメリン,エチレフリン,マクロメリンの計8種の生理活性物質の合成を行うことで,その有用性を実証することができました。
当研究室で開発したジボロン酸無水物触媒DBAAが,含水溶媒系でも脱水縮合アミド化反応を促進することを示した実用例です。
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